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■当連結事業年度業績について

 当連結事業年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善や設備投資の持ち直しなどを背景に、緩やかな回復基調で推移いたしました。一方で、米国の通商政策をめぐる動向、ウクライナ情勢や中東情勢に起因する地政学的リスク、為替の変動、消費者物価の上昇などにより、先行きは依然として不透明な状況が続いております。また、地政学的リスクの高まりを背景に、国内外で資材調達や工期への影響も一部で見られました。
 当社グループに関連の深い住宅業界では、住宅建築費や土地取得費用の上昇、住宅ローン金利上昇への懸念、人口減少に伴う世帯数の減少などを背景に、新設住宅着工戸数は前期を下回りました。また、建設業界全体においても、人手不足、建設資材価格や労務費の高止まりなど、厳しい事業環境が続いております。
 こうした状況において、当連結事業年度における当社グループの業績は、売上高が前期比301百万円増加し、11,139百万円となりました。利益につきましては、営業利益268百万円(前期は営業利益370百万円)、経常利益290百万円(前期は経常利益346百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益262百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純利益335百万円)となりました。売上高は、足場施工サービス事業、足場部材のレンタルサービス、シンガポール子会社における受注基盤の拡大により、前期を上回りました。一方、営業利益は、適正価格での受注交渉が進展したものの、施工力強化に向けた人材確保や人件費の上昇、海外における各種コスト増加などにより、前期を下回る結果となりました。

 セグメント別の業績につきましては、後記のグラフに示す通りです。
 足場施工サービス事業においては、住宅市場が低調に推移する中、今後の受注基盤拡大につながる既存顧客のシェア拡大と新規顧客の獲得に取り組み、売上高が伸長しました。足場部材のレンタルサービスでは、建設資材価格の高止まりを背景に需要が継続し、売上高が安定して推移しました。また、日本人及び特定技能外国人の施工スタッフの採用・育成を進め、期末時点の在籍人数は過去10年間で最多となりました。一方で、施工力強化に伴う人件費の増加が先行したことなどにより、売上総利益は微減となりました。
 製商品販売事業においては、建設資材価格の高止まりや労務費の上昇により、顧客の投資判断が慎重な状況が継続しました。一方で、足場仕様の厳格化や工期延長に伴う保有部材の不足などを背景とした需要もあり、顧客ニーズに応じた販売提案を進めてまいりましたが、市況全体の購買意欲低下の影響を受け、売上高・売上総利益ともに減少いたしました。
 海外事業においては、在外子会社のあるシンガポールでは、建設関連需要が堅調に推移しました。一方で、主要な需要先である石油化学産業では、環境規制の強化等を背景とした投資抑制が継続し、当連結事業年度の後半には地政学的リスクの高まりにより、一部案件で資材調達や工期への影響も見られました。また、現地の賃金水準の上昇や物価高騰により、収益面ではコスト上昇への対応が課題となりました。このような状況下において、継続的な価格改定交渉やコスト削減に取り組むとともに、足場工事・メカニカル等を行うエンジニアリング分野で大手製薬メーカーからの受注を獲得するなど、受注基盤の拡大を進めた結果、売上高及び売上総利益は微増となりました。一方で、人件費を中心とした各種コストの増加により、営業利益は減少いたしました。
 また、当連結事業年度末後の2026年4月21日には、シンガポールにおいてエンジニアリング事業を手掛けるPenguin Engineering & Construction Pte. Ltd.の全株式を取得いたしました。今後は、既存の海外子会社との連携を通じて、施工対応領域の拡大とエンジニアリング分野での対応力強化を進めてまいります。

連結財務ハイライト
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■第4次中期経営計画進捗

 当社グループは、第4次中期経営計画「Reborn」を、自己変革を通じた成長の期間と位置づけております。建設業界では、人手不足、生産性向上などの課題が顕在化しております。こうした課題の解決を通じて、「人と現場を守り抜く」というパーパスを体現し続けるため、「コア事業領域の深化」「新たな収益事業の創造」「経営基盤の強靭化」の3つの重点戦略に基づき、事業基盤の強化と新たな成長機会の創出に取り組んでおります。

 「コア事業領域の深化」では、足場施工サービス、製商品販売、海外事業を、収益を支える中核領域とし、技術・品質・生産性を磨き、サービスの差別化を進めております。当連結事業年度は、施工スタッフの増員や特定技能外国人の育成、足場部材のレンタルサービス拡大、海外事業におけるエンジニアリング領域の強化などが進展いたしました。
 「新たな収益事業の創造」では、労働力不足、事務・管理作業の効率化、現場作業の生産性向上といった課題の解決に向け、デジタル事業と海外人材育成事業を中心に取り組みを進めております。デジタル事業では、SES(システムエンジニアリングサービス
※1)における受注拡大や、仮設工業会の委託を受けた「仮設8D BIM※2」特設サイトの制作・公開など、建設DXの推進と収益基盤の構築に取り組みました。海外人材育成事業では、当社が出資するインドネシアの合弁会社PT DAISAN MINORI INDONESIAが開設した日本式自動車教習所「YUZURU DRIVING SCHOOL」を基盤に、日本で長く活躍できる人材の育成を進めております。

 「経営基盤の強靭化」では、経営環境の変化に柔軟に対応できる自律活躍型組織づくり、人材の確保・育成、持続的な事業運営を支える基盤強化に取り組んでおります。当連結事業年度は、特定技能2号の合格者が誕生するなど、将来の職長育成に向けた成果が表れました。また、信頼関係の強化やチーム力の向上を目的に、責任者クラスを対象とした「対話力アップ研修」を実施し、対話文化の醸成・定着に取り組みました。加えて、健康経営の推進やIR・PR活動を通じた社内外への情報発信により、社員一人ひとりが働きがいと誇りを感じられる環境づくりを進め、従業員エンゲージメントの向上にもつなげております。

※1 SES(システムエンジニアリングサービス)
ITエンジニアを必要とする企業へ自社の社員を送り込み、システムの開発や維持管理の作業を行うサービスです。


※2 仮設8D BIM
3Dモデルに時間やコスト等の次元を加え、さらに「安全衛生(8D)」の情報を統合することで、足場や仮設構造物の計画時における事故リスクを可視化・未然防止する最先端の建設ICT技術です。

■次期の見通し​について

 今後の経済動向につきましては、中東情勢をはじめとする地域紛争による国際情勢不安に加え、米国の通商政策をめぐる動向や金融・為替市場の変動など、依然として不確実性の高い状況が続くものと見られます。特に、原油・ナフサをはじめとする石油関連原材料の供給・価格動向は、建設資材価格、物流費、住宅建築費及び工期に影響を及ぼす可能性があり、引き続き注視が必要な状況です。
 国内経済においては、雇用・所得環境の改善などを背景に、緩やかな回復基調で推移するものと見込まれます。一方で、物価上昇や金利・為替の変動、建設資材価格や調達コストの高止まりにより、先行きは依然として不透明な状況が続く見通しです。当社グループに関連の深い住宅業界では、住宅建築費や土地取得費用の上昇、住宅ローン金利上昇への懸念に加え、ナフサ等を原料とする石油化学製品の供給・価格動向に伴う原材料調達への影響が見られております。このため、新設住宅着工戸数及びリフォームを含む住宅関連需要は、特に上半期において、原材料の調達環境が安定するまで、着工時期や工事計画に影響が生じる可能性があるものと見込まれます。

 このような見通しを踏まえ、第4次中期経営計画「Reborn」における第53期・第54期を次の成長に向けた「売上・利益成長期」と位置づけ、取り組みを進めてまいります。
 次期におきましては、足場施工サービス事業における受注基盤の拡大、適正価格受注の推進、施工人員の確保・育成に加え、足場部材レンタルサービスの品質向上と受注拡大を図ってまいります。また、海外事業では、Penguin Engineering & Construction Pte. Ltd.との連携を進め、エンジニアリング分野での対応力強化と収益基盤の拡充に取り組んでまいります。さらに、デジタル事業におけるSES及び受託開発の拡大、インドネシアでの海外人材育成事業の基盤構築を進め、持続的な成長に向けた事業価値の向上に取り組んでまいります。

 株主の皆様におかれましては、今後とも変わらぬご支援を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。

セグメント別概況
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アンケート

アンケートにご協力いただきありがとうございます。

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